OJTマニュアルを作成する場合、どのような形にすると使いやすくなるのでしょうか?
内容の構成や表現方法などに関する話と媒体の形態に関する話があるかと思いますが、ここでは媒体の話に限って解説してみたいと思います。
現在、何らかのマニュアルを制作する場合、代表的なメディアのイメージは次の3つになります。
メディア | ページ数 | 配布状態 | |
1)小冊子形式 | 16〜40ページ程度 | 1人1冊 | 印刷 |
2)バインダ形式 | 100ページ以上 | 職場に数冊(予算があれば全員に配付しても構わない) | 100冊以下の場合はコピー対応 |
3)電子的メディア | 限定なし | 全員が閲覧可 | web、PowerPointなど |
1)小冊子形式
OJTのマニュアルの場合、手順や手続きを解説することも重要ですが、もう1つの重要な機能として指導担当者に対する「意識づけ」があります。この意識づけを重視するのであれば、1人1冊で配付できる小冊子が一番適しています。
また、各企業の状況にもよりますが、新人のOJTなどでは、配属が決まってから(OJTリーダーに指名されてから)新人の受け入れまでの期間が非常に限ら
れているケースを多く見かけます。そうなると、指導担当者は短期間に(一斉に)準備を進める必要が発生するため、自宅に持ち帰ったり、通勤中に読んだりで
きるものが利用される可能性も高くなります。この点でも小冊子に優位性があります。
2)バインダ形式
OJTの詳細部分(期間や指導項目)まで会社で指定できている場合は、マニュアルで解説すべき内容も少なくてすみますが、採用職種が複数の場合などはそれらを指定できないことがあります。その場合、期間や指導項目の決め方、計画のつくり方などから解説する必要が発生し、さらにそれぞれの職種ごとの事例を解
説しているとページ数が非常に多くなってしまいます。
そうなると印刷費用も高くなり、また改訂される確率も高くなるため、バインダ形式の方が現実的となります。バインダだと計画書の記入例やその職場の前回の新人の指導記録なども一緒にファイルできますので、情報としての活用範囲も広がってきます。
3)電子的メディア
通年採用や毎年定期的に採用がある職場ならいいのですが、数年に1度しか採用がない職場などでは、共有のマニュアルがきちんと管理されていない傾向があります。また、職場内でしか閲覧、利用できないことも、活用度を制限してしまいます。
そこで第3の方法として電子的メディアが候補となります。
この場合、PowerPointなどのスライド形式で図解を中心に解説したものとweb形式で文字情報を中心に図解を加えたもののいずれかになるかと思います。
作成も手軽で、気軽に閲覧しやすいものとしてはスライド形式が向いているかと思いますが、深い理解を求める場合や検索性を高めたい場合(必要なときに必要なところを参照する)は、web形式の方が適していると思います。
→関連:マニュアルTips「OJTで効果を上げるためのマニュアルとは」
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