企業内教育の中心はOJTだと言われていますが、上司任せにするより集合研修で実施したほうが効率が良いのではないでしょうか?
OJTがマンツーマンの指導を基本としているのに対し、集合研修は1度に数名から数十名の教育を行ないます。
もし同じ内容を複数の人に指導する場合、OJTで行なうと対象者の数だけの指導者が必要で、それがみんな同じことをすることになります。 一方、集合研修だと、1人か数名のトレーナーによって1度にすることができます。
そればかりか、教育技術の点でも専門のトレーナーが行ない、よく企画されたプログラムと完成度の高い教材を用いて実施することもできます。 こうして比較すると、OJTよりも集合研修のほうが、教育の生産性や効率性の面では優れていると言えそうです。
しかしながら、集合研修でより効果的な教育を行なったとしても、全員が同じように習得できるわけではありません。
予備知識や基礎力にも差がありますし、学習するときに理解しやすい手順も全員が同じとは限りません。
そのため、どうしても理解度や学習スピードに差が出てしまいますが、集合研修だと全員を同じ手順とスピードで進めるため、
平均的なところかもう少し下のレベルに合わせて進めるしかありません。
このような個人差を埋めるためには、マンツーマン方式で個別指導を行なうOJTのほうが有効となります。
また、職場内で行なうOJTでは、実際に仕事をする環境で、実際の道具を使い、 実際の業務や事象を題材に教育することができますので、
職場を離れて行なう集合研修より、はるかに実践的な教育を行なうことができます。
つまり、OJTと集合研修は、単純に優劣を比較できるものではなく、それぞれの特性を踏まえて双方を組み合わせながら行なうのが効果的だと言えます。
新入社員教育を例にとると、全員に共通する部分や基礎的な部分はまず集合研修で行ない、
それぞれの職務に応じた具体的な指導はOJTで行なうということが一般的とされています。
どこで区切り、どのように組み合わせるかは、対象者やテーマによってさまざまですし、 予算や時間的な制約も考慮する必要がありますが、それぞれのメリットを活かす組み合わせを研究していくことが企業内教育においては重要だと思います。
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