OJTとコーチングは全くの別物という話を聞いたのですが、どのように違うのでしょうか?
少し大ざっぱな言い方になりますが、OJTが本人の外側にある知識や技能を教え込もうとする手法なのに対し、 コーチングは答えは本人の内側にありそれを引きだしてやる技法だ、というのが違いを強調する人たちの主張のようです。
実際にコーチングでは、答えを教えたり強要したりするのでなく、傾聴、質問、確認などの技術を駆使しながら、 本人が自ら自分の内面にある答えに気づき、確信するような関わり方を重視しています。
これに対しOJTは、組織や先輩社員が持っている知識や技術を新人や若手社員に教えていくという側面を持っています。
しかし、必ずしも指導される側の個性や主体性を軽視しているわけではありません。
OJTのなかでも古くから傾聴、質問、確認などの技術は重視され、インストラクションや動機づけの技法の中で活用されてきました。
新人など下級者に対する指導では、基本動作、基本技能を習得させる必要があります。 そこでは指導の効率性が重視され、形を教えたり、反復訓練させたりということも多用されます。
しかし、中級者以上の指導になると直接指導するより、課題を提示することで能力開発の方向づけをしたり、 対話を通じて本人に気づきを促したりという方法が用いられてきました。
今日のコーチングのように、理論として体系化されていたわけではありませんが、
ベースにはコーチングと同じカウンセリング系の理論が古くから取り入れられていました。
また、実務の中で培われてきた部分においては、今日のコーチングよりも多くの実践的ノウハウがあるようにも感じます。
つまり、OJTとコーチングが別物という意見は必ずしも正しくはなく、OJTを不等に狭く定義した見方だと思います。 一定の経験を持つ人への指導では、どちらも同様のスタンスで同様の技法を用いていると思います。
コーチングはその部分が強調され、その方法論に特化した考え方であるのに対し、 OJTはそれも含めてもっと幅広い対象者に、対象者に応じた技法を用いていこうというものだと言えるのではないかと思います。
書いて残せる「OJT実践ノート」新人を育てる確かな方法があります。
新人の成長を記録し、OJTを活性化させる「OJT新人ノート」
OJT実践ノートの概要を動画で解説します。(約3分半)
お客さまの状況にあわせて、ゼロからマニュアルやツールを作成します。