研修事業とマニュアル制作事業の組み合わせは変わっているように感じるのですが…。
当初は研修事業を中心とする予定でした。しかし創業時は、はじめて依頼する講師が多かったこ
とで品質的にも安定しないことが多々ありました。
そういう時期に少しでも品質を安定させようと、教材を全て依頼企業向けにリメイクしたり、研修結果をまとめたりということをはじめました。当時は
Windows95以前でしたが、Macintoshを使っていたのでDTPのノウハウを多少は持っていました。
また、制度設計などに取り組んだ際に、コンサルティング部分がうまく進まないことが何度かあり、その責任を取る形で、最後に制度をまとめあげる作業や社員向けの広報物の制作を引き受けるようになりました。
そのようなサービスを続けるうちに、その効果が非常に大きいことに気付きました。コンサルテーションは、順調に進んだときは良いのですが、うまくかみ合わないと途中でうやむやに
なってしまうことがよくあります。とかく「やり逃げ」とか「つまみ食い」とか非難される状況です。
しかし、社内広報物やマニュアルの制作まで引き受けることで、やり逃げはできませんし、見えにくかったコンサルティングの成果を形にして残すことができるようになりま
した。
またマニュアルにせよ制度のパンフレットにせよ、印刷物を作る際には論理矛盾は許されませんし、お客さまの赤入れ(校正)を受けることに
なります。この点が、コンサルタントが一方的に作る「診断報告書」と異なります。
そのため、通常の調査や診断とは比較にならないほど、お客さまの業務や事情に精通できるようになります。
そして、そこで得た情報を今度は研修の企画や教材作成の中に反映していきます。それによって、以前よりいくらか顧客企業の実情を反映した研修が実施できる
ようになり、クレームが発生する確率も少なくなりました。
このような理由で、研修事業とマニュアル制作事業は、相乗効果が絶大だと感じています。
しかし、必ずしもすべてがうまくいっているわけではありません。研修を担当する講師からは「ナビゲートの仕事は要求が細かすぎる」と敬遠されることが多いですし、事前情報が多すぎて消化不良のまま研修になったり、解説方法を修正してもらうことでインストラクションがギクシャクしたりということもよく起きています。情報提供や要求のさじ加減も、工夫することで講師の個性を殺さないように依頼する方法など、まだまだ研究余地が多いと感じています。
また、投資が二重になることでのマイナスもありますし、営業スタッフの覚える内容が多く、専門性が育たないという弱点もあります。さらに研修と制作のいずれかの仕事をいただくとそのイメージが強くなるためか、片方だけしかご依頼いただいていないお客さまも多く残っています。そのようなお客さまには弊社の強みが発揮しきれていないので、もっとPRする努力が必要だと感じています。