パンデミック!新型インフルエンザの脅威
「ヒュルルル?......と風が吹きすさぶ大通りに、人影はない。
デパートや食料品店のシャッターは下りたままだ。
病院に目を移すと、マスクをした患者が至るところに座り込んでいる。
つらそうな咳に混じって、ワクチンはまだか、ワクチンはまだかと声が上がる。
薬が足りず、熱にうなされた病人が肩を寄せあっている......」
いきなり、恐い未来図を描いてしまいました。しかし、もしも日本で新型のウイルスが猛威を振るったら......こんな状況もないとは言い切れません。
現在、鳥インフルエンザが、人から人へ感染する「新型インフルエンザ」に変異し、パンデミックを引き起こすことが懸念されています。
パンデミックとは、ある感染症や伝染病が世界的にまん延すること。日本も感染の波に巻き込まれれば、膨大な数の患者、医療機関のパンク、薬・食料・物資の不足、インフラの破綻、社会不安による治安の悪化、莫大な経済損失といった、深刻な被害が予想されています。厚生労働省の試算では、感染者は3,200万人(人口の約4分の1)に上ります。
しかも、どの程度の感染力なのか、症状は重いのか、薬は効くのか、潜伏期間はといった病気の特徴は、新型ウイルスが発見されるまでわかりません。ワクチンの製造には、発見からさらに6カ月を要するといいます。
うーむ、恐いですね。国内でも危機感が高まってきたのか、今年の夏に厚生労働省が「事業者・職場における新型インフルエンザ対策ガイドライン」を改定しました。これを受けて、弊社でも「パンデミック対策ガイドライン」を策定することになりました。
地震などの天災に比べて、パンデミックは人的資源を直撃します。弊社のように人数が少ない会社は感染者が数人出ただけで大きくダメージを受けます。
また、パンデミックが発生したら、弊社の事業は全面的に停止せざるをえません。対面での会議や研修は自粛するよう厚生労働省のガイドラインに明記されていますし、企業もマニュアルどころではなさそうです。
こうした弊社の特徴を踏まえて、新型インフルエンザにかからないことを第一に「予防」に重きを置いた対策を作成しました。いわば「従業員の健康&資金を温存し、嵐が過ぎるのを待つ作戦」です。
例えば、国内で新型インフルエンザが確認された場合は、発生地域によらず、すぐに在宅勤務体制に切り替えます。発見の当日に出社していたら、専用のマスクを着用し、公共交通機関をできるだけ避けて帰社します。また、国外で確認されて日本には上陸していない場合でも、マスクの着用を義務づけます。
在宅勤務後の連絡方法や顧客への対応、資金管理についても、ガイドラインに明記しました。従業員に対しては、完全に業務が停止した場合でも、6割程度の賃金を細く長く支給する予定です。これでひとまず安心して(?)待機できます。また、インフルエンザ終息後、どのように事業を再開するかについても検討しました。
これで、弊社のメンバーは「もし明日新型インフルエンザが発見されても、パニックに陥らずに対応できる」はずです。
さて、業務についての対策は整いましたが、新型インフルエンザにかからないための方法も、周知しておく必要があります。発生してみないとはっきりした対策がわからないとはいえ、弊社のガイドラインでは、厚生労働省の提唱する対策を元に、以下の予防法を挙げています。
・咳エチケットを守る(マスクを着用し、人に向かって咳をしないこと)
・うがい・手洗いを徹底する(手指を清潔に保ち、菌を定期的に洗い流すこと)
・体調管理(体調に配慮し、熱があるときは無理して会社に来ないこと)
このほかにも、会社ではマスク・手袋・消毒用アルコールを備える、家庭では外出機会を減らすために生活必需品・食料品を備蓄するといった対策が挙げられます。パンデミックの対策は難しいからこそ、できるところは押さえておきたいものですね。
暑かった夏が終わり、風邪を引きやすくなるこの時期。パンデミック対策も兼ねて、今から「咳エチケット・うがい・手洗い」の習慣をしっかり身につけるというのはいかがでしょうか。伝染病の恐さを秋の夜長にじっくり味わうなら、映画「アウトブレイク」の原作となったノンフィクション『ホット・ゾーン』がおすすめです。
パンデミックが発生しないことを願いつつ、今後も対策を充実させていく予定です。
<参考リンク>
■厚生労働省:新型インフルエンザ対策関連情報
■国立感染症研究所 感染症情報センター
弊社で購入したN95マスク |
(鳥だって不安だよ) | (鳥インフルエンザが元だからね) |