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研修歳時記:教育計画づくり


[の] 仕事・職場

11月です。カレンダーも余すところ2枚となりました。
そろそろ次年度の教育予算が検討される頃です。教育計画づくりに頭を悩ませている方も多いのではないでしょうか。

教育体系が確立し、教育計画がいったん予算化されてしまえば、よほど問題が無いかぎり年中行事のように継続されていく......、そんな研修も少なくありません。
 とはいえこのご時世、経費削減の矛先は真っ先に教育に向けられがちです。上位方針で予算を削らざるを得ない、トップが教育に理解がなくて......、そんな嘆きもちらほら聞こえてきます。
 限られた予算内でのやりくりを求められる中、まして新しいテーマを企画し予算を獲得することは、なお大変なことでしょう。意欲的な担当者ほど、困難を感じられているのではないでしょうか。

教育は将来への投資であり、また社員に向けてのメッセージだと思います。人を育てる意志のない会社にはよい人材が集まるとは思えませんし、人が育たない会社に未来があるとも思えません。
もっとも、教育を社内で行うべきかどうかの議論はあるでしょう。社内では一切教育を行わずアウトソーシングする、それはそれでひとつの方法と思います。
思想のない中途半端な教育こそが、一番のコスト高につながるのだと思います。まんべんなく費用を削って研修の効果を下げるくらいなら、やらないほうがましでしょう。

最低限必要なものを効果的に行う、そのためには選択と集中が必要です。
御社ではどのような基準で教育計画を作成されているでしょうか?
教育計画の中で大きなウェイトを占めるものは研修だと思います。以下に研修計画に的を絞って、見直しのための基本的な視点をご紹介しておきましょう。
年中行事化している研修やスポット的に行っている研修についても、この際見直しをされてみてはいかがでしょうか。

*なお、以下の記述は「中長期的な教育体系に基づき、年度毎の教育方針があり、それに基づいて研修テーマが設定され、それぞれのテーマ毎に個別の研修プログラムある」という前提です。

◆研修テーマと研修プログラム

<研修テーマを見直す>

以下のような視点から、研修テーマそのものの改廃を検討します。
テーマの削除はともかく、新しいテーマを追加するとなると、相応の提案力・説得力が求められることでしょう。

○目的にそっているか?
教育体系と年度の教育方針に照らし、それに沿ったテーマ設定がされているか、過不足はないか、について検討します。

○必要性はどうか?
企業によって、必須となるテーマは異なるでしょうが、例えば昇格試験に連動しているようなもの、新任管理者、職種転換または入社時など、新しい職務や職責の任用に伴う教育は外せないところでしょう。

○優先すべきことは何か?
例えば、経営課題と連動したテーマは時機を逃せないもののひとつです。
また、優先順位をつけるためには、継続することで意味をもつテーマとスポットのテーマとを見極める必要もあります。

<テーマ毎の研修プログラムを見直す>

テーマが確定されたら、各テーマ毎に、研修プログラムの内容を吟味します。具体的には以下のような判断を行います。
・同一テーマ内において、研修プログラムの改訂や差し替えを行う。
・同一テーマ内において、研修プログラムの追加・削除を行う。
研修タイトルとプログラムを見ただけでは判断がつかないものです。受講者アンケートもひとつの検討手段ですが、日頃からオブザーブしていないと難しいでしょう。

◆対象者と実施時期

以下は、研修テーマと、個別の研修プログラムの双方に関わりますので、実際には並行して検討する必要があります。

<対象者を見直す>

テーマが設定された後に対象者が選定される場合もあれば、対象者ありきでテーマが設定される場合もあります。また研修プログラムに応じて対象者が選出される場合もあるはずです。
いずれにしても以下の観点から検討を加えます。

・対象者の層(年齢、人数、職種)は適切か。
将来必要とされる人材構成に照した時に、最も適切なタイミングで教育を行っているかどうかを検討します。タイミングを逸するとまったく効果が得られない場合もあるので、慎重に行うべきでしょう。
また、各部署からの選抜方式の場合、明確な選抜基準を設けることも大切です。

・対象者の人数は適切か。
集合研修の場合、受講者数やコンビネーションによって、その成果に少なからず影響が及ぶものです。
最も効果的な構成を検討します。
 

<研修の開催時期を見直す>

・各テーマごとに、最適な時期に開催しているか、無理がないかを検証します。
・特に複数会合に渡るような研修の場合はタイミングが重要です。研修内容と提出課題の有無に応じて、間延びや無理のないようなタイミングを図ります。

いかがでしょうか。
いちいち細かく吟味している余裕がない、そういう人にとっては、信頼のおける教育団体を見極め、相談するのも有効な方法でしょう。

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