研修歳時記:内定者研修
10月です。あの猛暑も懐かしく感じられるようになりました。
10月1日が内定開始日......とされていたのは、すでに4年も前のこと、1996年に就職協定が廃止となって以降、採用活動はますます早期化の一途をたどっています。
夏頃までには内定も出し終わり、そろそろ内定者研修を始めている企業も多いのではないでしょうか。
さて、内定者に対して何を研修すべきかについてはいろいろな見解があるかと思いますが、多くの企業では新人研修の前倒し的な研修をされているようです。
基本的なことは入社前に習得してもらい、入社後はできるだけ早く戦力になってほしい......。
育成に要する時間を短縮したいという意向はわかりますが、あまり実務的な教育を課しても、果たして効果はどれほどのものでしょう。内定者とはいえあくまで学生なのですから、必要以上の負荷は避け、長い目で見て意味のある研修であってほしいものです。
内定期間は、"社会人としての準備期間"という捉え方もあるでしょうけれど、"学生生活の集大成の期間"でもあります。
残り少ない学生生活。これまで、受験そして就職と、先の事ばかりを追いかけてきた学生諸君に、"今"という時を充実してもらい、自分自身を掘り下げる機会を持ってもらうのもよいのではないでしょうか?
卒業までの時間を有意義に過ごすこと、やり残したことをやり遂げること、就職を前に自分自身の価値観や職業観を見つめ直してみること......、そうした"自分のための時間"を持つことが、結果として入社後の迷いや五月病を防ぐことにもつながると思います。
来春の入社当日を、心身ともに晴れやかな気持ちで迎えてもらうために、残された学生生活を悔いのないよう過ごしてほしいと思います。そして、内定者研修がそれをサポートするものであってもよいのではないでしょうか。
*以上の考えに基づき内定者向けの研修用ワークシートを作成しました。ご利用ください。