研修歳時記:インストラクターの心得基本動作
社内で研修インストラクターに抜擢された人のために、基本的な心得について解説していきましょう。
今回のテーマは、インストラクターの基本動作です。
学習を受け入れる雰囲気......これがないことには、どんな研修内容であっても効果を得ることはできません。そしてこの雰囲気は、インストラクターの表情や動作、態度の一つひとつにかかっています。はじめてインストラクターをつとめる人はもちろん、すでに何年も経験している人も、日頃の動作についてチェックしてみてください。
◆立って話すのが基本です。
ごく少人数の場合は別として、基本的には立って話すようにします。
立つことで全員を見渡せますし、受講者からも注目されやすくなります。
また背筋を伸ばすと声にも張りがでます。
◆どうせ立つなら教卓の前に。
教卓を背にして立つことで、具体的に受講者との距離が縮まるだけでなく、心理的に一歩踏み込めます。
考えてみてください。一段高い教壇の、しかも教卓の内側に立って、机に手をついて講義している姿を。
いかにも教師が生徒に教えている構図ですよね。これでは一体感は生まれません。
◆そしてダイナミックに動く。
ひとところに立ちっぱなしではなく、時々動いて受講者の注意を喚起します。
といってもせわしなく動き回ったり、無意味にうろつくのでは逆効果です。
例えば、教室の端にいる受講者の所までサッと動いて意見をきくとか、肝心なポイントについてはピシッと止まって話すなど、ダイナミックな展開を意識的に作るようにします。 また、状況に応じて、受講者の間にどんどん入っていくことも大切です。
◆何事もメリハリが肝心。
動きもそうですが、時間についてもメリハリを持たせ、キビキビと進行しましょう。ダラダラはいけません。
例えば、セッションからセッションへのつなぎ目や、次のテーマへの移行時、受講者の発表時など、開始と終了の節目をはっきりさせます。
◆意識と視線は常に受講者へ。
ホワイトボードを使ったり、OHPを使ったりするときは、つい受講者に背を向けがちなので気をつけましょう。時々、熱中するあまり、ホワイトボードに向かって話しかけてる人や、自分で書いたものを自分の姿で隠してしまってる人がいます。
書くときや指し示すときは、できるだけ半身に構えて、視線を受講者に向けるようにしましょう。
◆発表は一番後できく。
受講者の発表は、教室の一番後ろに立ってききます。これによって受講者全員を巻き込むことができます。
発表が終わったら率先して拍手を送りましょう。
さて、いかがですか?
以上は基本的なことですが、こうしたことを意識するだけで、研修という場がずいぶん立体的になるのではないでしょうか。