紺屋の白袴(5) 新人のOJT
ナビゲートに新しいスタッフが加わりました。
中途採用でそこそこのキャリアを持った女性ですが、業界経験はなく、担当してもらう職務に関する経験もほとんどありません。それでも他のスタッフともすぐに打ち解け、好奇心を持って取り組んでくれていますので、どこまで伸びてくれるか非常に楽しみにしています。
今回は思うところあって、久々に私自身でOJTリーダーを担当することにしました。
ここ数年で採用した3名ほどは他のスタッフがOJTリーダーを担当し、それぞれ一生懸命、うまく指導していましたので、改めて自分で担当するとなると他のスタッフよりうまく指導できるか、ちょっとした緊張感がありました。
自分でOJTリーダーをやろうと思ったきっかけは2つありました。1つ目は私自身のマンネリ感の打破が目的です。弊社のOJTリーダー養成研修では、新人とリーダーが共に成長する、ということを教えています。ならば私も他業界でキャリアを積んできた新スタッフを指導しながら、逆にたくさん刺激をもらおうという魂胆でした。2つ目は、前々から弊社で扱っているOJT関連の研修や教材を見直し、充実させていきたいと考えていて、その研究材料にしようと考えたからでした。
ところが、いざOJTがスタートしてみると大変でした。
新スタッフの入社してくるころには私の業務も一段落している予定だったのが、逆にぱんぱんに仕事が入ってしまっていました。だからと言って投げ出すわけにはいかず、仕方がないので私は計画だけを立てて、具体的なテーマごとの指導は他のメンバーに割り振ってしまいました。
2つ目に大変だと感じたのは、さすがに他社でのキャリアがあるだけあって、想定より吸収が早かったことです。ちょっと油断すると手空きになりそうなので、次の指導テーマや作業項目を準備するのに追われる羽目になりました。
そして3つ目は、本人の得手不得手に関連することでした。採用の面接時の印象からするとこのくらいなら軽くこなすだろうと思って出した課題で、本人が思わぬ苦戦をしはじめました。しかもそれは、担当してもらう予定の仕事の中では重要なスキルにあたる領域でしたので、私も少し焦りました。
幸い素地は悪くなく、その課題の領域に慣れていないことが原因のようでしたので、指導の重点をそこに置くことにし、時間もたっぷり与えてしばらく苦しんでもらうことにしました。
というと聞こえはいいのですが、それで時間稼ぎにもなるし、2つ目の問題の解決策にもなると、私の方の都合だけで決めてしまいました。
それにしてもOJTは難しいなと改めて実感しました。
と言っても今回私が担当するのは、全般的なことや基礎的なことを指導する最初の1カ月半だけの予定です。新人スタッフが担当予定の業務の深い部分までは私には教えられません。その後の半年間はその業務のベテランスタッフに引き継ぐことにしています。
おいしいとこ取りで、ちょっとずるいかなと思いつつ......。