絵付けを体験
先日、待ちに待ったお皿が届きました。
いったい何のお皿かというと、自分で絵付けした有田焼のお皿です。
先月、夏季休暇で彼の実家に遊びに行ってきました。
彼の実家は、佐賀県の有田町。有田焼で有名な町です。
焼き物についてほとんど知識のない私でも町の至るところで、有田焼きのお皿や器を見かけると、町の人々にどれだけ有田焼が愛されているのかが自然と伝わってきます。
そんな町で生まれ育った彼の友達には、窯元を継ぎ立派な職人になっている人たちがいます。今回は、そんな彼の友達F君の窯元を訪ねることになりました。
窯元に着いてまず驚いたのは、そびえ立っている大きな煙突。
有田町を歩いていると、いくつもの煙突を見かけるのですが、間近で見るとその存在感に圧倒されます。
快く私たちを迎えてくれたF君は、さっそく工房を案内してくれました。
中に入るとあちこちに、素焼きされる前のものや、されたもの、釉薬が塗られ完成しているものなど、さまざまな段階の器が並べられています。また、ある一角では、欠けてしまったお皿や器が乱雑に重ねられており、それを見るとどこも欠けずに仕上げることの難しさが伝わってきました。
工房は、真夏でも焼き物が乾燥してしまわないようにするため、冷房を付けることができず暑い空間となっていました。そんな中で、暑さに負けず一枚一枚丁寧に仕事をしている職人さんたちを思うと感心してしまいます。
しばらく案内をしてもらった後、私たちも絵付けを体験させてもらうことになりました。
すでに素焼きされているお皿の中から好みの大きさのお皿を選び、何を描こうか考えます。せっかくだから、日常生活でも使えるデザインにしたいな。でも、ちょっと個性的な絵柄にもしたいな。などと思いをめぐらせながら数十分......。
ようやく描きたい絵柄が決まると、まずは鉛筆で下書きし、下書きが終わると、次に焼き物の専用絵具である「呉須(ごす)」を筆に付け描いていくという流れになりました。
筆で描く作業は、非常に緊張する瞬間でした。
まず、一度描いたら消えないのと、ちょっとした力加減で線が"がたがた"になってしまうのです。
実際に描いてみて、改めて職人さんたちのすごさを実感させられます。
手が呉須で真っ青になりながらも、ようやく絵付けを終えた私たちは、仕上げをF君にまかせ、その場を去りました。
その後、しばらくして届いたお皿は、釉薬が塗られ絵付けしたときのお皿の色とは変わり白くてつやつやとした美しい仕上がりとなって届きました。
お皿は、非常に薄くすぐに割れてしまわないか少し心配ではありますが、食器棚に閉まっておくだけではもったいないので、ぜひ活用したいと思います。
そびえ立つ大きな煙突。 | 工房の中です。 |
私は、小さいお皿を選びました。 | 絵付けが完成! | きれいに焼き上がりました! |