おじゃれやり八丈島
ゴールデンウィークを利用して1泊2日のスケジュールで友人と八丈島へ行ってきました。のどかな島に行ってみたいと思い立った私たちは、細かな下調べもせず宿の手配だけして八丈島へ飛び立ちました。
伊豆諸島の最南端に位置した八丈島は、羽田から飛行機で45分。あっという間に到着します。空港を出ると、椰子の木やアロエに迎えられ、さっそく南国情緒豊かな島の風景に包み込まれます。
まずは、八丈島のことを知りたい!と思い歴史民族資料館へ行きました。そこでは、館長さんの案内のもと八丈島のおもしろい歴史や文化などを知ることができます。2つの火山から成り立つ八丈島は、まるでひょうたんのような形をしており、なんと「ひょっこりひょうたん島」のモデルだとか......。
八丈島の歴史も少しわかったところで、私たちは港町にある宿泊予定の宿へ向かうことにしました。しかし、不親切とも言うべきか、宿の看板はどこにも出ておらず、案の定迷ってしまいます。本当にこんなところに宿があるのかな?と心配になってきたころ、ようやく宿を発見!それは宿というよりも普通の民家といった雰囲気でした。おそるおそる玄関を開けるとおばさんが出て、
おばさん「誰?......お客さん?」
私たち 「そうです......」
おばさん「あっ!」
私たち 「......」
おばさん「あらやだ。カレンダーをめくり忘れてた!えっと、部屋はどこがいいかしら」
どうやら5月のカレンダーには、私の名前が記入されていたらしいのですが、カレンダーをめくり忘れていて、すっかり見落としていたとのこと。世間一般は、ゴールデンウィークでにぎわっているというのに、この対応はいったい......この宿は大丈夫なのだろうか?と不安になりましたが、すぐに部屋に案内され夕飯には港で捕れた新鮮な魚が出されたので、とりあえず満足した私たち。夜になると観光客とは別に近所の人々がどこからともなく集まり、いつの間にか宴会に。私たちも自然と近所の方とうち解け合い、楽しい時間を過ごすことができました。
2日目は、残念ながらまるで台風のような天候に。このまま帰るのは惜しいので、レンタカーで島内をドライブすることに(さすがに、運転はちょっと怖かったので、友人に任せっきりだったのですが......)。八丈島の伝統的な樫立踊りや太鼓ばやしを見たり、温泉につかったりと、島ならではの楽しい時間を過ごしました。
さて、昼食を取るために近くのお店に向かったときのこと。
近くにそのお店しかなかったということもあり、とりあえず向かったお店だったのですが、なんだか怪しい雰囲気が漂っています。まず、看板の文字が消えかかっており営業しているのかどうかもよくわからない感じで、お店全体がだいぶひなびています。すると、お店の方が出てきて、「ちょっとちらかっているけどごめんね」と案内をしてくれたのですが......店内を見回すとちょっとどころではなくだいぶ汚れていたのです。なんと、足下には、クモの巣がひっかかるほど。なんとなく断るのも気まずくなった私たちは、案内されるがままにテーブルに。メニューは、どこかな?と探そうとしたところ、
店員 「えっとね、カレー、ピラフ、しょうが焼き......あとナポリタンだったらできるけど何にする?」
私たち「はい......、じゃあ、ピラフとしょうが焼きをお願いします」
店員 「はい、ちょっと待っててね」
そんなやりとりの後、しばらくすると料理が出てきました。料理はそれなりにおいしかったのですが(でもご飯は、ちょっとひからびてましたが......)、またも、普段では経験しないような状況に戸惑ってしまいました。
そうこうするうちに帰る時間になってしまったので、空港へ。すると、なんと悪天候のため飛行機が欠航になってしまったのです。
もしかすると......と予想はしていたものの、まさか本当に欠航になってしまうとは。予定外の1泊をすることになってしまった私たちは、仕方なく昨日泊まった宿へもう1泊させてもらえないかと連絡をしました。すると、おばさんが「どこにいるの? 早くいらっしゃい」と一言。これには、さすがに笑ってしまいました。まるで、その宿に帰ることが当たり前とされた家族のような接し方だったからです。そして、宿へ戻ると「おかえり」と私たちを迎えてくれました。よく見ると、私たちと同じく帰る予定だった男性も戻っているではありませんか。また、その日船でなんとか八丈島へやってくることができたという新しい男性も加わりにぎやかな夕飯をいただくことになりました。
3日目は、前日の夕飯で仲良くなった男性たちとともに、レンタカーで観光をしよう!という流れになりました。前日の天候が嘘のように見事な快晴に。雨で行けなかった場所にも行くことができ、念願のどかな島の風景を見ることができました。そして、その日の夕方に羽田へ戻り私たちの気ままな旅は終わりました。
旅の楽しさは、なんといっても予期せぬ出会いだと思います。今回の旅では、多くの出会いがあり心の中に色濃く残る旅となりました。小さなことを気にしない島の人々の性格に戸惑うこともありましたが、「まぁいいか」と、気にならなくなってきてしまうのが不思議な感じでもありました。今回の旅に懲りずまた機会を見つけて八丈島へ行ってみたいと思います。できればこの次は、ダイビングに挑戦したいと思います。ぜひ皆さんも一度行ってみてください。
八丈富士にいた牛、八丈小島を背景に | 伝統的な太鼓ばやし |
2日目、嵐の中ドライブ | 3日目、見事な快晴に! |