スペイン人の東京観光
スペイン人の友人夫婦が、日本に観光にやってきました。夫婦の趣味は世界旅行です。
アメリカ、ロシア、エジプト、中国、ベトナム、アイスランド、インド、ボリビア、イースター島......その他いろいろ。「え!そんなに!」という数の国に訪問したふたりが、満を持しての日本上陸です。
日本上陸後の日程にも驚きを隠せません。東京→箱根→金沢→飛騨高山→京都→広島→そして大阪から帰国。
移動しすぎじゃないのか!!!?と思ってしまうけれど、そんな旅行があってもいいんですね。
そんなふたりの東京観光ガイド役を買って出た私は、友人たちや家族の力を借りまくって、盛大なおもてなしを繰り広げました。
浴衣を着せて街を闊歩。秋葉原でプリクラ、お台場で花火大会、原宿でショッピング、築地で寿司、神田でそば......祖母に腕をふるってもらって日本家庭料理もふるまいました(あくまでも私は作っていない)。
私が少々無理をしても友人たちとこんなふうに過ごしたかったのは、私自身が、東京のことを観光地として好きだからです。ガイドをやっている間、「しまった、無駄な移動で時間のロスをしてしまった」「しまった、ここの寿司屋いまいちだ」などと、本人たちにはわからない失敗を重ねて大変疲れたのですが、それ以上にやっぱり、楽しかったです。
私でさえ奇妙な街だと思う東京を、初めて訪れる彼らの新鮮な驚きといっしょに動くと、自分もすっかり旅行している気分になれるから。
彼らは先週スペインに帰っていきました。
次にお金や時間ができたときには、彼らはきっと世界のまだ見ぬ土地に出かけていくはず。だから彼らはもう二度とは東京に来ないはずです。それはなんだか不思議な気持ち。彼らは最終日になる頃には、東京メトロやJRの乗りこなし方をかなり覚え始めたというのに。
だけど私たちは必ずまた会える。それは地球上のどこでもよくて、たとえいつでもいいのです。
インターネットもあるのだし。不思議な世界です。
秋葉原にて。初めて撮った"プリクラ"を見て笑っているふたり。 |