甘粛省に行くその6
「朗木寺」から車で12時間かけ再び「蘭州」へ戻ってきました。
車から降りて級長が今夜の宿を決めるのを蘭州大学の前で待っていたとき、 私は疲れていたので背負っていた大きなリュックを地面に置きました。 それから1時間ほどして級長が戻り宿へ移動するときには私はトランクだけを持ち、 リュックのことはすっかり忘れていました。
風邪気味だったので頭がぼやけていたのと、宿の説明に気をとられていたからでしょうか。
宿に着き部屋を決めたところでようやく忘れたことに気が付きましたが、取りに戻ったときには、 すでに荷物はなくなっていました。
そこにいた大学のガードマンに聞いてみると「君たちが去った後、かばんが1つ残っていたが誰かが持っていった」 と言いました。
パスポートや学生証、携帯電話などは入っていなかったので中国人の友人は 「なあんだ、じゃあいいじゃない」と言いましたが、(中国人がパスポートを取ることは手続きが大変で発行されにくいため友だちは一番に心配していたのです)私は長年使ってきたポーチや化粧品、 生活用品そして日記がなくなってしまったのでそう簡単に割り切ることができませんでした。 常に側にあった小道具たちです。
携帯電話はなくしてもまた買えば済むし、パスポートは多少困るけど再発行できるのに、と悔しい思いです。
その様子をみた友達は「考え方が違うんだぁ?」と言いました。 間抜けな自分を責める一方で「破財免災」と友人に慰められました。
次の日電車で5時間かけ「天水」へ着きました。
電車の中でも気分はすっかり落ち込んでいましたが、嘆いていてもしかたがありません。 命あれば良しとしましょう。
「天水」では気分を変えて観光です。ここでは「麦積山」という石窟を見ました。 崖に沿って掛けられた階段を登り石窟を回っていきます。 全部で194個の石窟が現存していて、その中には4世紀から19世紀までに作られた泥人形と石の彫刻7200点や壁画があります。 とても壮大なところでした。
そしてまた次の日、電車で6時間かけて「西安」へ移動し、日本でも有名な兵馬俑といくつかの名所を回りました。
西安は観光地の中でもかなり大きな都市ですので、ここまで来ると日本人にもたくさん会いました。
市内を囲む城壁の跡や門、鼓楼などがあり、私は、ここは昔皇帝が北京と同じく都を置いた街であることを感じさせられました。
しかし急激に発展している北京とは違い、落ち着いた面持ちがありました。
西安で観光しながら3日間過ごし北京に戻ってきました。
帰りの電車は寝台の席が買えず、夜9時半に発車し翌朝11時半に到着するまでの14時間、 ずっと座って帰ってきました。 新幹線のようにリクライニングもないし硬い席なのでお尻も腰も痛かったです。
3週間ぶりに北京へ戻ったときすごく嬉しかったです。
ここはもう私の第2の故郷ですもの。
<参考>
中国の地図(東方観光局のサイトへ)