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SARSについて


[ち] 旅行・海外生活

WHOの調査が入り、北京でのSARS感染拡大が明らかになってからすでに1カ月が経ちました。
私も日本へ帰国して3週間が過ぎました。
帰国前の北京での生活はまるで病院にいるようでした。
中国の大学は全寮制です。同じ敷地内に先生や学生をはじめ、大学で働く大勢の人が共に暮らしています。
大学内で感染者が出たら広がる可能性も大きいため、管理は厳しく行われました。
例えば、学校の門では学生証などの身分証明の提示が必要で、外部の人は入れません。
寮内の消毒も行われました。廊下や階段、エレベーター、台所やトイレなど公共の場所を中心に消毒され、 感染拡大のニュースが広がるにつれて、個人の部屋にも行われるようになりました。 その消毒液は刺激が強く、散布した後は、目がちくちくし、つんとした匂いが残ります。そのためにマスクが必要でした。
WHOの報告の後は、さらに管理が厳しくなりました。
予防薬(身体の抵抗力を高める漢方薬)と体温計が配付され、毎日体温の報告が義務づけられました。
そして数日後には学校が閉鎖処置をとりました。外部からの感染を防ぐためです。北京の多くの大学が休校になり、閉鎖したと聞いています。中に残った人は外へは 出れず、そして学生でも外に住む人や閉鎖以降に外にいた人は中へ入れません。

私は閉鎖になる1日前に帰国しました。
それから10日間、一歩も外へ出ませんでした。
報道を見ていると北京にはあちこちに感染者がいるように思われますが、実際に見かけることはありません。 感染した人と会っていたらすぐに隔離されてしまうからです。
私の学校の場合、きちんと対応策を講じていたので、校内にいる限りは安全だといえます。 しかし、一歩外へ出ればそうはいきません。空港や飛行機内など不特定多数の人と接触する場所では危険が伴います。
日本政府が危険地域にいる日本人に対して帰国勧告を出しました。 しかしそれも無責任だ、と私は憤慨しています。 空港での検査について、きちんと対策をとってから言ってほしいと思ったのです。
今は少し厳しくなったかもしれませんが、私が帰国したときは自己申告のみという形でしか検査はありませんでした。 ニュースやワイドショーなどでSARSが危険と知っている日本人は、もちろん北京からの帰国者を嫌がります。 私も家で間違っても咳を出さないように、こそこそした生活を送りました。一緒に暮らす母も出勤を控えました。
学校にいれば安全なものを「帰ってきた方がいいんじゃない?」と言われ、帰国したはいいが、今度は空港と機内という危険地帯を通らなければいけない。空港での 検査はあいまい、私が白か黒か、自分でもわからない。そして帰ってきてもばい菌扱い......これではあんまりでしょう?
きちんとした対策もとらずに、中途半端に怖がる日本に腹が立ちました。
しかし、実は私自身も怖かったのです。 もし感染していたら、空港から家までの道ですれ違う人、家族、その家族が会う人......と広がっていくのです。 だから、空港では10日間の隔離などの措置をとってほしいと思います。その方が家族や帰国者本人にとっても安心です。 それから実際に発病した場合の処置方法や病院の連絡先など、明確な対策を考える必要があります。
日本で広がらないことを、心から祈るばかりです。
いえ、広めないために、皆で注意をしましょう。

1.手洗いとうがいをこまめに
2.汚い手で目や鼻、口をいじらない
3.健康管理をきちんとする

この時期、やむを得ず外国へ行く場合は、菌を持ち帰らないぞ!という責任のある行動をお願いします。

空港1 空港2
緊張した北京空港内の風景
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