引越し
学校が引越しました。
中国の場合、学生や教師、事務員さんなどの学校運営に携わるいろんな人が、その学校の敷地内に住んでいます。清華大学や北京大学のような大きな大学になると、病院や郵便局、銀行、スーパーなどもあり、まるで一つの村が校内にあるようです。
夏休みに日本に帰っていた私は、9月2日に北京に戻りました。中国では授業開始の前に「学校に戻りました」という報告をしなければなりません。
その時に1年分の学費や寮費を払います。中国語で「報到」というそれが9月3日で、9月6日にはもう引越しがありました。
そもそも私が去年の9月に入学したとき、今年3月に引越しがあると聞いていたのです。それが工事が遅れ、結局夏休み前の7月前半に決まりました。ところが7月になっても何も動きがない。学校自体は準備を始めているというのに!
引越しがあるかないかで、夏休みに帰国する日が変わります。
飛行機の予約をしなければならないので、たくさんの留学生が事務室へ何度も問い合わせ、やっと「留学生は新学期になってから引越しをする」という返事が得られました。しかし何月何日に引越しがあるのかはわかりませんでした。
そして9月に北京に戻ったら、寮には「9月6日に引越し、7日に始業式」という張り紙がありました。夏休みに北京に残っていた留学生でさえ、私より3日ほど前にやっと知ったような状況で、焦って準備をしていたようです。
9月3日の「報到」の後、初めて新しい寮を見ました。建てたばかりの白い壁、新品の家具......という期待とは裏腹に、今までの半分くらいの広さしかないことと、共同調理場にガスがまだ通ってないこと、部屋に電話がない不便さの方が目立ちました。
引っ越し前日、大型テレビほどの箱が4個、みかん箱サイズが21個、それと冷蔵庫と自転車......、1年間で増えた荷物の多さには驚きです。また、留学生約30人がどういう順番で作業を行うのか、何時から始めるのか、新しい部屋の番号さえわからず不安でした。
翌朝7時くらいに引越しのトラックが5台来て、寮を管理している先生がたまたまその時廊下を歩いていた私に「準備はできた?」と聞いてきました。私がうなずくと、「じゃ、あなたからやりましょ」といって、引越しセンターの人を10人くらい連れてきて、私の荷物を運ばせました。
引越し自体は意外にスムーズにできましたが、問題はその後です。学校自体がまだ工事中の場所が多く、日夜カンカントントン音がするし、砂埃もまっています。
越してきたその日から10日間くらいは、シャワーを浴びることもできませんでした。新築の部屋に引越しというと、ぴかぴかの場所に移るというイメージがありますが、いやはや、教室は土だらけだし、物は埃だらけでびっくりです。
それまで「王府井」という北京の中心街に住んでいて、買い物も便利だし散歩も楽しかったのに、今の場所はまだ栄えていません。あまり治安がよくないのでぶらぶらできないことも不便です。
......しかし「住めば都」で、慣れてくるとさほど感じなくなるのは不思議なものですね。