北京の春
4月になりました。
北京の春は、強い風が吹き、黄砂が舞う季節です。
一日外に出かけた日は、目がしばしばし、手や顔、鼻の中は砂で真っ黒になってしまいます。
黄砂を避けるために、街の商店では、薄い編み目の布でつくられた独特の帽子が売られています。
それは、シロや黄色や緑色とさまざまな色があり、すっぽりと首まで被るというものです。
たしかに効果はありそうですが、顔の輪郭だけが透けて見えるその姿は、ストッキングを被った銀行強盗のように見えなくもありません。
実際、街でそれを被っている人に会うと、ギョッとしてしまいます。
でも、これはもしかしたら花粉症の人にも効果があるかもしれません。
ただ、もしこの帽子が日本で使われていたとしたら......、そして、それをかぶった人が電車に乗っていたとしたら......、その姿を想像すると、なんだか妙な感じがします。
ところで、
「春要塢(*1)、秋要凍」という、ことわざがあります。
「春は厚着を、秋は薄着をしなさい」という訳です。
暑くなったからといって、急に半袖を着たりして、身体を悪くしないように、という意味が込められています。
うららかな日本の春、薄着して風邪などひかないようにご注意下さい。
*1 繁体字では手偏に「烏」ですが、該当する漢字がなかったため、 上記の漢字で代用しました。
ちなみに、簡体字では手偏に「五」です。
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