嘘つきは泥棒の始まり
仮に......
ある通信業者でネット接続とIP電話を契約していたとします。
毎月の請求明細を見ていると、なぜだか1月からネット接続料金が2,000円ほど安くなっていました。
ところが6月からIP電話の基本料金が5,000円ほど高くなっています。
請求明細書の備考欄に説明があるので読んでみると、次のように書いてありました。
- 多くのお客さまは、今月からIP電話の基本料金が増えてますが、基本的には、その分、1月からネット接続料金が減っています。
- これは、弊社事業部間の売上方法の変更により、ネット接続部門からIP電話部門へご請求金額が移し替えられたためで、ネット接続料金とIP電話の基本料の合計負担額はこれまでと変わりません。
(ただし、コスト増などの別の要因により実際の負担額は変動します)
なんだとーー!!
もし、こんな通信事業者があったら、即刻、他の業者に切り替えてやる!
仮に......
弊社では毎月の給与を基本給と手当として支給しています。
1月から適当な名目で手当を一人5,000円ほど増やしておきました。
そのかわり6月からは基本給を一律10%ほどカットすることにしました。
社員がいろいろ文句を言わないように、6月の給与明細には次のような通知を小さく入れておきました。
- 多くの社員は、今月から基本給が減ってますが、基本的には、その分、1月から手当が増えています。
- これは、賃金の計算方法の変更により、基本給から手当へ名目が移し替えられたためで、基本給と手当の合計支給額はこれまでと変わりません。
(ただし、会社業績などの別の要因により実際の支給額は変動します)
さあ、どうだ!
こんな説明で十分。どうせ社員には細かいことはわかりゃしないから。
いえいえ......
もし、こんなことをしてしまったら、みんな真剣には働かなくなるし、
何人会社に残ってくれるでしょう。倒産、まっしぐらですね。
あ、そうそう、今度は実話です。
私が住んでる都市の市長さんから、こんな通知が届きました。
- 多くの方は、今年度から住民税が増えてますが、基本的には、その分、1月から所得税が減っています。
- これは、税源移譲より、国(所得税)から地方(住民税)へ税源が移し替えられたためで、所得税と住民税の合計負担額はこれまでと変わりません。
(ただし、定率減税の廃止など、別の要因により実際の負担額は変動します)
なんだとーー!
こんな市は、即刻、出ていって......、あれ、隣の市も、みんな同じ文章。
市民税の担当者の文章力がないだけかと思ったら、国家の差し金かー。
年金問題でこれだけ騒がれてるのに、学習しないもんですね。
多くの誠実な民間企業の皆さまは、こういう文章はマネしないようにしましょう。
お客さまや社員からの信頼を失ってしまいますので。