虹色の未来
吹奏楽部の学生の多くは、毎年夏に開催される「全国吹奏楽部コンクール」を目標に練習を重ねています。
娘の学校も例外ではなく、すでに練習も始まっていますが、近くの音楽大学で課題曲についての解説や奏法の指導をしてくれるイベントがあり、勉強になりそうなので親子で参加してみました。
はじめての参加でまったく様子がわからなかったのですが、顧問教師が学生を連れて参加している学校も多く、制服姿の団体の多さにとにかく圧倒されました。どの学校も、コンクールにかける熱意は相当のようです。
イベントの中で、課題曲の作曲者がその音大の学生で編成された楽団に直接指導をするプログラムがありました。音の出し方や表現などのほか、作曲者の曲に対する思いがたっぷり含まれた解説がされ、学生たちはそれぞれ納得しながら楽譜にメモを書き込んでいます。
娘の学校が選んだ曲は「コンサート・マーチ 虹色の未来へ」。いくつかある課題曲の中では、一番軽快でリズムも取りやすく、この課題曲を選んだ学校も少なくないようで会場は満員御礼状態。
親の私がコンクールに参加できるわけでもなく、何気にパンフレットを読んでいると、作曲者の曲への思いや願いが語られていました。
要約しますと、作曲者(おそらく40代)が中高生だったころ、携帯電話もインターネットもなく吹奏楽に集中できる環境があったが、現在は便利なツールがあふれ、そこから一度声を発信するとともすれば誹謗中傷や非難の嵐。
そんな世の中に未来や希望はあるのだろうか。
そんなことに振り回されることなく、「もっと練習したい!」「演奏して楽しい!」という未来や希望をもって、吹奏楽の練習に没頭してほしい。
確かに昔に比べて非常に便利になった一方で、誰かのつぶやきがすぐに世間に知れ渡り、時にそれが大きな反論、そして誹謗や非難につながるのは、昔は考えられなかったことです。
子どもたちも、なにかにエネルギーを傾けようとしようとしても、ついスマートフォンなどでの友人とのつながりが気になったり。なかなか集中できない環境でもあります。
全体的に明るい感じの曲なのですが、曲中には人生の楽しさ、悔しさ、挫折、そしてまた虹色の未来へ向かって歩き出すストーリーが盛り込まれているようで、まだまだ人生が長い子どもたちにとって、自ら演奏しながら励まされる曲となりそうです。
人数枠の関係もあり、娘の学校ではコンクールに出場するにはオーディションで勝ち抜く必要があります。
さっそく人生の「挫折」を経験する可能性もあるのですが、そんなときもこの曲を励みに、虹色の未来に向かって進んでもらえたらと思います。
作曲者の解説と思いを さっそく楽譜にメモ! |
会場に向かう学生たち | 我が家から電車で15分の距離にある音楽大学。 こんな近くに立派な施設があったとは!! |