突然の訪問は、歓迎
先月、夏期休暇で夫の実家(佐賀県)に1年ぶりに帰省したときのことです。
夫がこれまでお世話になった方に久しぶりに会いに行くにあたって、夫婦間でささいな意見衝突が起きました。
夫「これから、Aさんに会いに行こうと思う」
私「今日、Aさんお家にいらっしゃるの?」
夫「わからない。いるかもしれないし、いないかもしれない」
私「え?じゃあ、電話して確認してみたら?」
夫「いや、いいよ(電話しないよ)」とのこと。
あらかじめ、自分たちが行くことを事前に伝えてしまうと、相手に自分たちの都合に合わせてもらうことになりかえって申し訳ない。田舎の人は、自分の予定が狂うことをさほど気にしない。それに突然会いに来てくれたらうれしいものでしょ。会えたらラッキー、会えなかったら残念という感じで......。夫の考えを要約するとこんな具合になりました。
私の意見としては、お客さまを迎える立場であれば、やはり一言言ってもらえれば、掃除くらいしたのに、ちょっとしたお菓子なども用意したのに......などと思ってしまいそうです。もし自分に他の用事があったら時間を気にしてしまったり、せっかく遊びに来てもらっても、落ち着いて過ごせないような気がします。
少しもやもやしながらも、夫の言う通り、アポなしで突然Aさんに会いに行ってみると、ちょうど家にいらっしゃり「あらー、帰って来とったとね。あがりんしゃい」と笑顔で歓迎してくれて、すぐに部屋へ通してくれました。
部屋は片付けられており、ささっとお茶とお菓子まで出していただき、楽しい団らんのひとときが始まりました。
何一つ嫌な表情をされないAさんとの楽しい時間を過ごしていると、私が気になっていたことは、どうでもよいことだったように思えてきました。
帰省中、同じように数名の方に会いに行くと、やはり皆さん突然にもかかわらず温かく迎えてくれました。
なるほど。夫が言うようにこの地域の方は、突然のお客さま対応に慣れているように感じました。つまり、普段から部屋は片付けられていて、お茶菓子なども準備されているし、多少散らかっていたとしても細かいことは気にしない。自分の予定が狂うことよりも、会いに来てくれたことのほうがうれしいという気持ちを大事にされていることが伝わってきました。
ところで我が家には、娘(2歳)と親しくなった同じマンションに住む小学生の女の子たちが、たまに遊びにやって来ます。それこそ、突然です。朝早くもあれば、夕方だったり時間もまちまちです。散らかっている部屋や自分の都合などを理由に、ついつい断りの理由を探してしまうのですが、夫の故郷の人の対応を思うと、自分の器の小ささにやれやれと思うのでした。
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