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老犬チェリーさんにかまれる


[み] 日常生活

 先日、飼い犬にかまれたために、手に包帯を巻いて出社しました。
 わが家では中型犬を2匹、室内で飼っています。14才のチェリー(メス)と8才のミッキー(オス)。出社間際にこの犬夫婦が喧嘩を始めました。
 「ギャンギャングギャンギャワン!」「ギャワワンガオガオグルル?」「コラッやめなさい!」と母が制止しているようですが、興奮して我を忘れている2匹には通じません。同じ部屋に入れておくと闘争の激化する恐れがあるため、力ずくでも引き離しておく必要があります。行ってみると片腕に1匹ずつ押さえつけ動きを封じている母が「チェリーさんを引きずって別の部屋に閉じこめてきて!」と私に依頼してきました。言われたとおり首輪を引っ張って連れ去ろうとしたところ、犬は首を90度旋回させ怒りの牙で私の手をガブリ。ギャー。

 痛いのはもちろん、手に傷が付いたこともショックだったのですが、それより衝撃的だったのはチェリーが私に攻撃を仕掛けてきたという事実でした。彼女がわが家に来てから14年、他の弟妹に歯向かうことはあっても、私に敵意を向けることは一度もなかったのに......。母がミッキーを別の部屋に閉じこめ、手の傷を消毒してくれる間、チェリーは私の足元で「かまってよ?」と甘えてきます。「おいおい、この傷はおまえがやったんだろうが!」と突っ込みますが、おそらく彼女はかんだこと自体を忘れてしまっている??あるいは、誰の手をかんだか区別がついていない??のです。
 わざわざ「さん」を付けて呼ばれるほどに、彼女はわが家で一目置かれてきました。帰宅する家族の足音を聞いて玄関まで迎えにくる「賢い犬」。上目づかい&伏目がちのおねだりが得意な「優雅なる犬」。散歩中、こちらが見ているときには用を足さず、それでも見続けているとわざわざ体の向きを変えるという「貴婦人(犬)」など......彼女への賛辞は枚挙にいとまがありません。
 そんなチェリーもこの数年、老化のために体調のすぐれない日が増えてきました。犬で14才といえばかなりのご高齢。獣医さんに見てもらったところ、目はほとんど見えておらず耳も遠くなっているとか。たしかに物音がしても以前のように吠えなくなり、家族とそれ以外の人の区別もつかなくなったようです。当然のことではありますが、長く生きているほどに少しずつ老化の兆しが......。咬まれた当日は彼女の変化を目の当たりにしてやりきれない思いでしたが、年を重ねるのは仕方のないこと。たとえちょくちょくかまれるとしても、これからも長生きしてもらいたいものだと思い直しました。

 現在、手の傷はばんそうこうを剥がしても大丈夫なほど回復しています。
 ん?......思ったより傷が浅かったのは、私とわかっていたチェリーが手心を加えたからだったりして......。

犬(チェリー) 犬(チェリーとミッキー) 犬(ミッキー)
左:かしこいチェリー(茶色) 右:わんぱくミッキー(白黒)
犬グラビア1 犬グラビア2 犬グラビア3
とても人をかむとは思えないおしとやかな風情のチェリーさん
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