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雨とか傘とか虹


[い] 日常生活

梅雨入りしたようです。
作品1
家を出る前に母が「今日は午後から雨らしいよ」とかいう日は、たいてい雨が降りません。散々だまされて傘を持って出かけて、必ず荷物になります。悔しく思いながら一日歩きまくった揚げ句、最後の最後にどこかに忘れてきます。だから、今日こそだまされない!と思って手ぶらで出ると、狙ったように雨が降り出すのです。
雨と傘の関係は難しい。毎年梅雨になると、毎日こうして雨と傘のことを考えて暮らさなくてはならないので大変です。
一日中降り続く日は、うす暗く、びちょびちょして、周りの人も憂うつそうな感じがするので嫌いです。だけど、ざーっと降って、いつの間にかさーっと晴れる、うそみたいな雨は好きです。そんな雨が降ったとき思い出すのは、夏に旅行したカンボジアのこと。

バイクの後ろに乗っていると、運転手のカンボジア青年は遠くの空を指差して「あ、雨が来る」と言う。見ると本当に、雨の群れがこちらに近づいて来るのが目に見える。予定を変更して雨宿りをして、村人たちと一緒にじーっとぼーっとしている。雨の田んぼをのっしり歩く水牛を、ぼんやり眺めている。青年たちは雨の中、バイクを乗り回してけたけた笑って遊んでいてしばらく帰ってこない。
作品2そうやって、
じっとぼっと静かに待っていたら、
雨はすっかりやんでしまうのです。

雨があがった後の、180°の虹!

東京の梅雨、じめじめした気分のときに、現実逃避してカンボジアの虹に思いを馳せるつもりではないのだけれど。しかし、「ほっておけば雨がやむ」という出来事は、私をとても気楽にさせます。

傘のことを考えるのはとてもうっとうしい。そして私は昨日、すごくちっちゃな折りたたみ傘を買いました。ふつうの折りたたみ傘の半分くらいだから、すぐにかばんの中に入れられます。
雨が上がった後、なにごともなかったように傘を鞄にしまうと、少し快適。

みんなそれぞれ、うまーくやり繰りしながら梅雨を過ごして、暑い夏を待ちましょう。濡れねずみの風邪には気をつけて。
作品3

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