お正月は食いしん坊の始まり!
明けましておめでとうございます。
大量にあったお正月料理もさすがに底をつき、お正月ムードも薄れたころではありますが......そのお節の話。
歳神さまにお供えしたり、お正月に火や包丁を使わないため、女性を休ませるため......など諸説ありますが、我が家は家業で特に年末が忙しく、母も料理どころか大掃除も時間がない、という状態がよくありました。31日の夕方から掃除を始めて「明けましておめでとう」と言いながら雑巾を握っていたこともありますし、お料理ができあがるのが元旦の朝だったり......手間のかかるお節を作るためにかえって忙しくなり、年明けに疲れてぐったりということもしばしば。それでも母が手作りする理由は、ただ一つ、「私が食べたいから!」です。
ある年「忙しいから今年は作らない......」と言い出す母に「私も手伝うから!」と説得し20年、その後も「来年はお嫁に行くかも。だから一緒に作れるのは今年が最後かもよ」と言い(結果的に大嘘になり)かれこれX年......年に1回しか食べられない「あの味を食べたい!」という食い意地だけが、めんどうでも作る!というエネルギーに変わっています。いまはおいしいお節も売っていますし、見た目もコストもバランス良いなとは思うのですが、「お節は作る」という気持ちになってしまいます。
食べるのも好きですが、作るのも好きだからでしょうか。
ニンジンの飾り切りや大根の千切り、サツマイモの裏ごしなど、同じ動作を繰り返しているうちに、黙々と自分の1年を振り返る時間もGood。また、親とゆっくり話す時間もでき、「これは◎◎おばあちゃんのレシピ、これは○○家の」などと『我が家の料理ルーツ話』を聞けるのも楽しみです。毎年同じ話になりますが、たまに新しい情報が出ます。
今年の新しい情報は「錦卵」と「お屠蘇」。錦卵は例年作っていなかったのですが、今年は栗きんとんを作らなかったこともあり、口寂しくなって正月3日になってから追加で作ってみました。帰宅した母が錦卵を見て大喜び。一から作るのは初挑戦でしたがなんとか形になりました。母も作っていなかったと思っていたのですが、実は私が小さい頃は作っていたけれど、手間がかかるのでやめてしまったとのこと。ずっと食べたかったそうです。
そして、お屠蘇。すぐ酔ってしまうのでお猪口で1口だけしか飲めないのですが、小さい頃からあの体に良さそうな味を1年の楽しみにしているお正月の定番です。いえ、定番だと思っていましたが、実は父の実家も母の実家も飲まないそうです。ではなぜ飲むようになったのかといえば、昔母が下宿した親戚のおうちでお正月に出ていたから。そして、お正月前にみりんを買うと屠蘇散が付いてくるから、だそうです(おまけで付くのは、地方によるのでしょうか?)。
ちなみに年末に薬局で買おうとしたところ、店員に「トソ?それ何ですか?」と聞かれてビックリしました。たまたまなのか、時代のせいなのかわかりませんが......。
お正月気分で酔っているのもそろそろ終わりにしないといけませんが、「鏡開き」後にぜんざいを食べるまではまだちょっと余韻を残し......と食いしん坊の私は思っております。
今年も良い年になりますように。
追記:
以前、「わが家の雑煮事情」で「よ」も紹介していますが、各家庭さまざまなんですよね。ぜひ食べ歩きしてみたいです。我が家の雑煮は、餅を焼いてから煮ます。
玄関のお飾り | お雑煮のおいしさったら |
絶対食べたい1つ、昆布巻き!いつもは身欠きにしんを使いますが、 今年は生のを使いました。 |
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煮込む直前。 | 紅白なます。大根1本分を切りました。
2時間かかり、修業に近かったような...... |
一の段。黄色ばっかり集まっちゃって | 二の段。詰めたのがなんと3日目。 しかもすでにつまんでるし... |
三の段。山の幸の煮物 を詰めました。 |
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■せっかくなので比べてみました。 | |
ある年の一の段。 | ある年の二の段。本をみて 詰めているのでなんとなく一緒......。 |
また、ある年の一の段。 | また、ある年の二の段 |
お重に詰めない年もありました | |
年明けてすぐにお参りにいきますと 薪が燃えておりまして 心もあたたまります |
実は昨日、鏡開きを 待たずに食べてしまった おぜんざい。また食べます |