祭りの人になる
郷里の祭り(村上大祭)を見物してきました。
実はこれまで、ちゃんと「見物」した記憶はありません。2015年にも祭りの日のことを書きましたが、商店ゆえ何かとせわしなく「見物」どころではなかったのです。
今年はたまたま土日に重なり、家人が見たいと言ったこともあって、ちゃんと「見物」してきました。
実家の近所に小町坂という急カーブの坂があります。そこが第一の絶景ポイント。
夜中の2時半に出向いた時は、もはやたくさんの人出で、カメラクルーも坂の上でスタンバイ。草木も眠る丑三つ時に、近所がこんなことになっていたとは……。
アスファルトに座って待つこと小1時間。ついに14騎の荒馬(馬に扮した児童たち)が、くつわをならしながらやってきました。夜も明けやらぬ町に「いんやへー」の声が澄み渡り、城下町の祭りを先導します。これがなんとも言えず、いいんです。
続いて一番手、久保田町の山車(おしゃぎり)が小町坂を2度も駆け上がります。カーブで受け止めるその様は迫力満点。
※注:以下の動画は大きな音が出ます。
14騎の荒馬
小町坂を駆け上がるおしゃぎり
3度めに坂を上る頃には夜も明け始め、群青色の空にゆらめく提灯の灯が実に美しい!この光景を何十年も知らずに生きてきたとは、もったいないことでした。
夜明け前のおしゃぎり
空と提灯と
おしゃぎりは1日中町を練り歩きます。現存のおしゃぎりで最も古いものは、江戸時代の宝暦十年(1760年)に造られた肴町のおしゃぎりだとか。見られるのも今の内でしょう。
夜になると、千鳥足のおしゃぎりが辻に集まり、村上甚句で高らかに〆て、やがてそれぞれの町に帰っていきます。
「はぁ~、下渡山(げどやま)さんに、お振り袖着せて、奈良の大仏さま(どすこいさっさ)、婿にとる~」は、私が知っている一節です。夜はまた格別の風情です。
機会があればぜひ一度お立ち寄りを。
ちょっとお疲れ
本物のお馬さんも
天気も何とかもちこたえ
夜がまたいい
辻に集結
実家の2階からお見送り
僕も祭りの犬になる
※荒馬について詳しくは、村上観光情報発信基地