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もしも○○で大地震に遭ったら......。


[K] イベント

安全>健康>法令遵守>オープン>公正・公平>安定性......コスト......。

弊社では、労務・人事面での優先順位を上記のように宣言しています。宣言しておかないと、どうしても安全だとか健康だとかがおろそかになり、スタッフに無理をさせてしまうためです。
といったことを口で言うのはたやすいのですが、忙しくなったり、業績が低迷したりすると、どうしても効率やコストが優先され、安全や健康が脇に追いやられてしまいます。会社を維持していかないといけないので、日常的にはある程度仕方がないと思いますし、損益が厳しければ安全を確保するために必要なものでも見送らざるを得ません。
そういって先延ばしすることの恐さを実感したのが昨年の3.11でした。
あれから1年。この機会に改めて安全面への意識づけや対策をしようと、3月15日、全スタッフで1日を費やして防災訓練を実施しました。

今回の目玉は2つです。1つは徒歩帰宅シミュレーション。
昨年の震災の時には、子どもの安否が心配で歩いてでも帰宅したいスタッフがいましたが、停電で情報がまったく取れなかったこともあり、二次災害を恐れて帰宅を認めませんでした。その判断は間違ってなかったと思いますが、さらに大きな地震で交通機関が寸断されてしまうと、徒歩での帰宅を促すことになるかもしれません。そこで、一度実際に歩いてみて、安全な帰宅ルートと、トイレやコンビニの場所を確認しておこうというのが今回の試みです。

もう1つの目玉は、ケース研究です。
昨年の震災後、その経験を踏まえて「防災・BCPマニュアル」を再構成していたのですが、実際に大地震が起きたとき、そのマニュアルにしたがって動けるとは限りません。そこで、首都直下型の地震の発生を想定したケースを作成し、各自がどう動くかのシミュレーションをやってみました。
ケースは大きく2種類を準備しました。1つ目は外出先で地震に遭遇したらどう動くかというショート・ケースです。これまで、社内にいるときにどう安全を確保するかは何度か議論してきましたが、外出時のことはあまりやっていませんでした。
そこで、スタッフが立ち寄りそうな場所と状況を具体的に10ケース準備し、それぞれの状況で何を意識して、どう動くかを議論しました。ケースは次のような簡単なものです。
「地下鉄の乗り換えで、新橋付近の地下道を歩いていた」

やってみた感想は......
このケース研究で数名の命を救ったかもしれません。

2つ目のケースは少し長文のものです。ある日の勤務時間中に大地震が発生したと想定し、全員の安全を確保し、自宅に戻るまでのプロセスを議論しました。具体的には、地震直後に各自で安全を確保したのち、社内にいるスタッフで緊急災害対策本部を立ち上げて、備蓄品を分配したり、外勤中のスタッフを誘導したり、帰社や帰宅を支援するというプロセスです。
このプロセスの一連の基準や手順は、「防災・BCPマニュアル」でひと通り網羅していて、全員、一度は目を通しています。しかし、状況によって誰がどの役割を担うのかが変わってきますし、判断要素がたくさんあるので、実際の場面をイメージしながらマニュアルを読み込み、確認していくのがねらいです。

ケースでは、3.11のとき外勤していた人を社内に置き、社内にいた人を外勤させるような設定にしてみました。また、幹部は外勤させて残ったスタッフだけで緊急災害対策本部を立ち上げるようにしたり、普段なら「この役割はこの人」となるところを、そうはできない状況を設定したりして、考える要素をたくさん盛り込みました。

やってみた感想は......
大地震のときに外勤していたら、会社は当てにせず自力で生き延びる決意ができました。

ただ、ケース研究をとおして改めて感じたことがあります。はじめての状況だとなかなかスムーズに判断できないのですが、3.11のときに外勤していた人は外での状況に、社内にいた人は社内の状況に具体的な意見が出てきます。それを考えると、今回、手間はかかりましたがケース研究をやっておいてよかったなと思います。
ケースはあくまで机上でのシミュレーションに過ぎないかもしれませんが、こうして一度考えておくだけで、いざというときにも慌てず、何もやらないときよりも多少は的確な判断ができるようになっているはずだと思います。
それを思うと、本日の訓練や準備で費やした時間やコストは、決してムダではないと思います。

さて、この原稿を書いているうちに徒歩帰宅にチャレンジしたスタッフも全員無事に帰宅できたようです。

本日使ったケースは、名前や場所や登場人物などを少し加工して、以下に添付しておきます。もしご関心のある会社は、各社や各部署の状況に合せて加工し、ご利用ください。


★「防災ケース集」(PDF)をダウンロード

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弊社の防災備蓄品の一部です。
このほか、水や救急セット、季節によってカイロや防寒シートなどです。
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すぐ使えるよう、電池やマッチも一緒に箱に入れてセットしておきます。
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