サムシングフォーと花嫁と仲間たち
先日、高校時代からの友人の結婚式に参加しました。
今まで数々の結婚式に参加してきましたが、今回ばかりは今までの結婚式とちょっと違います。なぜならば、新婦からスピーチの依頼を受けていたからです。
さかのぼること3カ月前。
新婦のA子から1通のメールをもらいました。「ちょっとお願いしたいことが......結婚式でスピーチをお願いしたいのだけど」確かこのような内容だったかと思います。
(スピーチ!?今まで余興はしたことがあってもスピーチなんてしたことがない......私のスピーチで盛り上がるかな......でも彼女のためになんとか引き受けたい......)
瞬間的にいろいろなことが脳裏をよぎりました。よくよく内容を読んでみると同じ高校時代の仲間数名とともにスピーチとのこと。それは心強い!ほっと一安心で快諾しました。
そこから仲間とともに「A子プロジェクト」と銘打ったスピーチの計画を進めていきました。
・引き受けるからにはただのスピーチだけではなく、盛り上げるものにしたい
・会場を盛り上げるだけでなく、新婦も涙を流すような感動的な演出をしたい
・親友ならではの何か心温まるプレゼントをしたい
......以上を踏まえた上で、仲間のTからすばらしいアイデアが出されました。
「サムシングフォーなんてどう?」
(サムシングフォー?)私は初めて耳にする言葉でした。
サムシングフォーとは結婚式で花嫁が、
・サムシングボロウ(何か借りたもの)
・サムシングオールド(何か古いもの)
・サムシングニュー(何か新しいもの)
・サムシングブルー(何か青いもの)
以上の4つを身に付けると幸せになれるという西洋に伝わるおまじないとのこと。
話し合いの結果、サムシングボロウは仲間の中で一番結婚歴が長いMがハンカチを用意、サムシングオールドは皆で持ち寄った高校時代の写真を、サムシングニューは新しく購入した写真立て、最後のサムシングブルーには仲間それぞれが手紙を書いた青い便せんをプレゼントするということに決定です。
結婚式当日は、1人ずつサムシングフォーのそれぞれの説明とお祝いメッセージを伝え、品物を新婦に手渡します。そして最後のサムシングブルーで代表の1人が手紙を朗読するという流れになりました。
いよいよ結婚式当日。
新緑に囲まれた歴史ある式場に、白無垢姿の美しいA子......すべてがまるで夢の中のようにうっとりとしてしまいます。高校時代からはや○○年、一つ一つの思い出が美しく思い出され、自然と涙が溢れてきます。幸せそうなA子の姿はとても輝いて見えました。
その後挙式から披露宴へ進み、少しづつスピーチの時間が近づいてきました。
最初は余裕を見せていた仲間たちも、だんだんと緊張のためか食事ものどを通らなくなっています。何回も進行予定表を見直す者、手のひらに「人」という字を書いて飲み込む者(懐かしい!)、黙りこくる者......。緊張のピークを迎えたとき、いよいよスピーチの時間に!
あとは開き直ってその場を楽しむしかありません。
結果はというと大成功(?)でした。特にサムシングオールドで手渡した写真の1枚を拡大コピーして会場の出席者に見せることで笑いを誘い(お世辞にも洗練されているとは言いがたい私たちの高校時代の写真が功を奏したようです)、最後の手紙朗読ではしっかりと新婦の涙を見ることができました。
無事スピーチを終えた私たちは、緊張と感動の余韻が残るなか、先ほどのどを通らず手付かずだった料理をきっちり堪能し、新婦の両親への手紙で涙を流し......そして祝宴はお開きになったのでした。
あとは新婦A子がスピーチを喜んでいることを願うばかりです。
そしてサムシングフォーの言い伝えどおり幸せになれますように......。
A子結婚おめでとう! |