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新幹線のぞみ号、繁忙期最終便での出来事


[よ] イベント

この夏、お盆の民族大移動の時期に3才の娘と新幹線で帰省するという大イベントにチャレンジしました。
私の両親は同じ町内の出身者で結婚後もそのまま町内に住居を構えたため、祖父母をはじめ親戚など、ほとんどが近所に住んでいました。そのため、私自身は帰省ラッシュについてニュースで聞いても、これまでは他人事で済んでいたのですが。
今年はたまたま帰省するタイミングがお盆と重なってしまいました。

まずは切符の手配ということで、発売開始の1カ月前に旅行代理店に飛び込んだところ、土曜日午前の新幹線のぞみ号指定席はすでに満席、あえなく金曜夜の最終便に挑むことに。夜8時過ぎに出発、夜中の12時到着の移動は、娘さくらにとって夕飯を食べ眠りにつく時間、うまくいけば騒ぐことなく快適に移動できるはずでした。

さて当日、少し早めに駅に着いた私たちは、まずは夕飯を食べることにしました。でも、その前におみやげを買っておこうと店をうろうろする私に反抗すべく、さくらはあちこちで「オヤツ買って」とおねだりします。私は穏便に用事を済ませたいため、普段は買わないような甘いオヤツをつい与えてしまいました。食べ過ぎて苦しくなったか、口から吐き出したチョコボールも大して気に留めることもなく。
オヤツをたっぷり食べたさくら、普段なら夕飯前にそんなことは許さないのですが......
「こんな日もあっていいよね」と自分に言い訳し、その後はサンドイッチで軽く夕飯を済ませました。そのときも普段は飲ませないぶどうジュースをつい与えてしまったのです。

そしていよいよ乗車。
降りる駅は終点だし、駅には両親が迎えに来てくれる予定です。あとは少し遊んで眠るだけ......。
窓から見える景色はすでに真っ暗、退屈そうなさくらに、早々にお絵書きを勧めました。クレヨンでいくつか絵を書いているうち「お母ちゃん、ゲエが出る」と力なくつぶやくさくらの声......。
「え??」
実は最近車でも乗物酔いをするらしく、吐くまではいかずとも、気分が悪くて車を止めることが何度かありました。私自身高校までずっと乗物酔いで苦しんでいたため、その辛さは十分理解しているつもりです。
冗談かな、と思いつつすぐに袋を口に当てると、ぶどう色の嘔吐物が次々と!甘いオヤツやジュースを与えすぎたのかもしれません。
これは大変です。今回はうまくキャッチできたけど、このまま症状が続くと本人も辛いばかりか、周りの方にも迷惑をかけてしまいます。すぐにデッキに移動すると、しばらく様子を見ることにしました。
しかしデッキは予想以上に揺れが激しいのに、当然窓は開かないし、次の名古屋駅まで1時間以上あります。気分が悪いまま過ごすには長すぎる時間です。幸い少し治まったようですが、席に戻ってまた嘔吐することがあると大変です。

ふと横に女性の車内販売員がいるのに気がつきました。彼女は次の車両の販売に向かうところで、新たに商品を追加したり、デッキでも販売をしたりと大変忙しそうでした。
でも聞くなら今しかない!
「子供が気分が悪いようなのですが、横になれるスペースはありますか?」とつい声をかけてしまいました。彼女はJR職員ではなく、列車について詳しいことは知らないようです。
しかし切羽詰まった私たちの様子を察したのか、すぐにワゴンの商品にカバーをかけ鍵をしっかり締めると、「少しお待ちいただけますか?聞いてまいります」と車掌のいるほうへ向かっていきました。
しばらくして車掌と共に戻ってくると、コップに入った冷たい水をさくらに渡してくださったのです。そして車掌からは、横になれるスペースはあるけれど、あいにくすでに他の方が使用中であると聞くことができました。横になれず残念ですが、幸い就寝時間も重なりさくらは私の腕の中ですでに眠りに落ちかけています。このまま寝てしまえば気分が悪いことも忘れるでしょう。私は「ぐっすり寝てしまえば大丈夫と思います。とりあえず座って様子を見ますね」と彼らに深々と頭を下げると席へ戻りました。

その後も車内販売は続きますが、対応してくれた販売員は、近くを通るたびにおしぼりを手渡してくれたり「大丈夫ですか?」と声をかけてくれたり。また車掌も、通るたび温かい言葉をかけてくれました。
外はすでに真夜中、たとえ途中下車をしても、次の列車はもうありません。体調の悪い子供を抱え本当に不安でしたが、彼らの温かい対応で、落ち着いて様子を見守ることができました。

今回の帰省は、トラブルもあったものの幸い大事にならずに済みました。
それは車内スタッフの親切な支えによる部分が非常に大きかったと思います。
残念ながら 「レールスターの女性車掌」[K]のときのように彼らの名札を確認する余裕はありませんでしたが、この場を借りて深くお礼申し上げます。

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