秋の味、おすそわけしていただきました
さくらが退院し、それまでの毎日外出していた日々から一転して家に閉じこもりの日々。
外出といえば週に1、2回、主人が休みの日に育児を交代して近所のスーパーに食品や日用品の買い物に行くくらいです。
すっかり秋が深まっていましたが、家に閉じこもりになると、季節を感じることもなかなかありませんでした。
買い物するときはだいたい午前中、主人が起きたらすぐにさくらを預けて家を出ます。
先日も朝一番に買い物をすませ、野菜やお肉が入った重い買い物袋を両手に抱えトロトロ歩いていました。
人通りの少ない住宅街を通るのですが、ふと、立派な門構えのお宅の前にダンボールが置いてあるのに気付きました。なにやらオレンジ色のものが入っている様子。なんだろう?と近づくと、それは「柿」でした。ダンボールには「ご自由にお持ちください」と書いてあります。20個くらいはあったでしょうか。
柿......、秋のフルーツの代表ですよね。
私の実家には柿の木が何本かあり、毎年たくさんの実がなります。この時期にはいつも食べきれないほどの柿が実り、台所には大量の柿が無造作に置かれていました。
"おいしそう"というよりも"腐る前になんとか食べきらなくては"という焦りのほうが大きく、がんばって食べるのですが、家族だけだと限界もあるし、いい加減食べ飽きています。両親は頼まれてもいないのに知人や友人にせっせとおすそわけしていましたが、私にとっては珍しいものではないので「こんなものあげても、かえって迷惑なのでは?」とよく思ったものです。
しかし、いざ手に入らないとなると、急に欲しくなるものです。
調査とばかりあるスーパーで値段を見ると、1個138円!けっこう高価な値札がついていてびっくりしました。実は今年生まれてはじめてお店で売っている柿(頂き物ですが)を食べました。1つひとつ傷つかないようクッション材に覆われた柿は、これまで私が食べてきた柿とはまるで別の食べ物のように見え、食べると、甘くてとてもおいしい!......でも家でできた柿もたとえ形は悪くても甘くておいしかったよなあ、ふとそんなことを懐かしく思い出しました。
さてさて、例のダンボールにふらふらと近づいた私は、ありがたく5つも頂くことにしました。別に悪いことをしているわけではないのに、つい周りをキョロキョロ(笑)、そしてお宅に向かって手を合わせ「ありがとうございます、いただきます!」とつぶやき、その場を立ち去りました。
まだ知り合いのいない、引っ越して間もない新しい土地ですが、なんだか温かい気持ちになりました。
家に帰り主人に話すと、「ああ、あの家ね、たしかに柿の木があるよね。」と納得した様子。
天気のいい日だったので、午後から少しさくらのお散歩をしてみよう、ということになり、偶然そのお宅の前を通ったのですが、すでに段ボール箱さえなくなっていました。きっと大好評で早々にもらわれたのでしょうね。
柿とはすっかり縁がなくなっていましたが、こんなことがあり、今年も家でできた懐かしい味の柿をいただくことができました。
お散歩は、「ピンクのクマちゃん」に変身 | こんな親子は「よ」と「さくら」かも^^; |