絵本を楽しむ
絵本は大人になってもよいものです。
娘が生まれてから、ふたたび絵本の魅力にはまっています。
ページを開くと広がる世界。絵や物語の楽しみに加えて、ページごとのデザイン、紙の風合い、造形などにも興味があり、自分好みのものと出合えたときはとても嬉しくなり、作品の世界観に思う存分浸り、作り手の思いやこだわりを想像してみたりもします。
そんなわけで、もう10歳になった娘に絵本を読み聞かせる機会はすっかり減りましたが、自分の楽しみとしてたまに絵本を購入しています。
今年、我が家の本棚に仲間入りした絵本を3冊紹介します。
『くまとやまねこ』
作:湯本香樹実/絵:酒井駒子/出版社:河出書房新社
あらすじ:仲良しだった小鳥が死んでしまい、悲しみに暮れているくま。周りの動物たちは、忘れて乗り越えるように諭します。そんなとき、バイオリンを奏でるやまねこに出会い……
この絵本は、知り合いがパーソナリティをしている「本と絵本とおはなしと。」というインターネットラジオの番組をきっかけに知りました。湯本香樹実さんも酒井駒子さんも大好きな作家さんです。「死」という重いテーマではありますが、くまの心の変化に最後は温かい気持ちになります。ラジオ番組もおすすめです!
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『ビロードのうさぎ』
作:マージェリィ・W・ビアンコ/絵・訳:酒井駒子/出版社:ブロンズ新社
あらすじ:男の子にぼろぼろになるほど大切にされていたうさぎのぬいぐるみ。うさぎはずっと一緒に男の子と居られると思っていたのに、別れは突然やってきて……
『くまとやまねこ』を紹介した友人から、誕生日プレゼントにもらった絵本です。こちらの絵も酒井駒子さんです。自分の幼い頃の思い出と、現在娘が大事にしているうさぎのぬいぐるみと重ね合わせて泣けました。
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『ぶたぶたくんのおかいもの』
作・絵:土方久功/出版社:福音館書店
あらすじ:子ブタのぶたぶたくんはお母さんから買い物を頼まれました。買い物に行くとユニークなお店屋さんや友達に出会い……
10月に世田谷美術館で開催されていた「土方久功と柚木沙弥郎—熱き体験と創作の愉しみ」に友人と行って、土方久功さんについて知りました。1929年から10年以上にわたりパラオやサタワル島で暮らしていたこともあってか、絵本にも南の島の雰囲気が漂っていて味があります。特にパン屋さんが好きです。
来年も自分のお気に入りの絵本を見つけられたらと思います。
『くまとやまねこ』心に寄り添ってくれる絵本です。 | |
『ビロードのうさぎ』絵が本当にすばらしいです。 | |
『ぶたぶたくんのおかいもの』ユニークな言葉や絵にくすっと笑えます。 |