「ナビゲートはどうして5Sを勧めるんですか?」と訊かれたら、それは「効果を実感しているからです」と自信をもって答えます。
......と、かなり胸を張って言えるようになってきました。
自信の源泉は、1つは顧客企業における改善効果で、もう1つは弊社自身の取り組みによる実感です。顧客企業の中には、数年にわたって研修や監査をお手伝いしているところがあります。
活動開始直後は反発があったり、モタモタして進まないこともあります。
しかし5Sは活動した分だけ職場がきれいになり、すっきりしたスペースが生まれ、いろんなムダが取り除かれていきます。
すると、職場の美化と連動するように働いている人の表情が明るくなり、改善活動をはじめ、モノゴトが進むようになってきます。
弊社自身の取り組みにおいても同様です。
恥ずかしながら、顧客企業の徹底ぶりに比べると管理が不十分なところはありますが、モノや資料を探すようなことはほとんど無くなりました。
取り組み当初は整理すら進まない時期が長く続きましたが、一定のレベルまで達してからは、忙しい時期に少々さぼっても大きく乱れなくなってきました。
特にスタッフの教育の面での効果は大きいなと感じます。ややルーズかなと感じる人が入社してきた場合でも、特別うるさく指導していないのに数年経つとそれなりに身の回りをきれいにしようとする習慣が身に付いているようです。
冒頭で「胸を張って言える」の前に、「かなり」という修飾語をつけてしまいました。これは、本当はそんなに自信がないからではなく、課題も多く残していると認識しているためです。顧客企業では、5Sの効果を経営成果に結びつけるという部分で試行錯誤を続けています。
5Sと連動して事故や品質トラブルも相当程度減っているはずですが、皆無にするにはいたりません。また売上や利益にどれだけ貢献できているかと問われてしまうと、実証できる部分は多くありません。弊社の活動でも、こちらはいくぶんレベルが低いのですが、繁閑に応じて5Sの状態も上がったり下がったりを繰り返してしまうところが、越えきれない課題だなと感じています。
ただし、蓄積してきたノウハウもたくさんあります。特に、5Sの取り組みを開始する際に効率よく立ち上げていくことや、過去に1度取り組み、形骸化してしまった活動を再活性化していくことでは、それなりに強みがあります。また、いわゆる5Sの抵抗勢力への対処法や、反論に対する説得方法などもいろいろ研究を重ねてきています。
この5Sコーナーでは、そういったノウハウも紹介していきたいと考えております。