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2017年9月18日

金魚の命

category : [日常生活

writer :[の]

金魚の命

以前、金魚のきんちゃんのことを書きました。大事に大事に育てており、すくすく元気に成長していたのですが、残念ながらこの7月の七夕の頃、天の川へ昇っていってしまいました。
まだ私の父が生きていて、ちょうど見舞いのために帰省していたときのことでした。
急に気温が上昇した日で、暑かったのでしょうか、水槽の外へ飛び出してしまったのです。
週末なので会社には誰もいませんでした。

実家でその訃報を聞いたときは、もうショックでショックで......。
父の回復を願っていた時だったこともあって、余計に気持ちが動揺したのかもしれません。
翌日、会社に戻って小さな亡き骸に対面して大号泣。自宅の庭に連れて帰って埋葬しました。
可愛がっていたスタッフも、しばらくはペットロス状態だったと思います。

唯一よかったことは、元の飼い主の[ひ]に会わせることができたことです。
[ひ]は、子供達の夏休みで、シンガポールから日本に帰省しており、会社にも顔を出してくれたので、成長したきんちゃんと1年ぶりに再会することができたのです。
それがせめてものなぐさめでした。

さてその翌週も翌々週も、父を見舞うために帰省したわけですが、
帰省先の村上駅のホームに、大小2匹の金魚が飼われているのです。
当たり前ですが、きんちゃんとは違って寄ってくることもなく、むしろ近づくと逃げていってしまうほどの警戒ぶりです。
それを見ると「やっぱり他人(?)なんだな......」と余計に寂しくなるのですが、それでもホームに降りるたびに気になって足を止めるのでした。

そんなあるとき、金魚たちの異変に気づきました。
大きな方が、じっと水底にうずくまっていて元気がありません。よく見れば鱗が逆立っています。小さい方はまだ元気はありましたが、2匹ともポップアイ(目が出る)の症状が見られます。これはきっと、エロモナス菌による松かさ病に違いない、とすぐに思い至りました。(この1年で金魚の生態にはかなり詳しくなっていましたので......)

かわいそうに。この暑さでは菌の繁殖も進むだろうし、このままでは死んでしまうだろうなぁ......。
そう思っていたところ、突然チビの方がこちらに向かってきて、じっと私を見つめるではありませんか。
さらに不思議なことに、今まで水底で動かなかった大きい方が、くるっとこちらに向きを変えて近づいてきたのです。そして2匹並んで立ち泳ぎ(?)しながら、潤んだ目(当然か)でじっと私を見つめるのです。
なんとも不思議な光景でした。
私は、「あんただったらわかるでしょ。お願い、助けて!」と懇願されているような気がしました。
特に大きい重傷のほうは、力を振り絞って訴えに来たように思えました。

ホームに特急いなほが到着し、私は2匹の病んだ金魚に見送られて電車に乗りこんだのですが、どうにも後ろ髪が引かれます。何とか助けてやりたいものです。今なら水換えをして適切な処置をすれば、助かると思うのです。しかしさて、いったいどうしたらいいのでしょう。
村上駅に電話をしてみるか。しかし、電話に出た人が水換えをしてくれる保障はありません。
ただでさえ夏休みシーズンの忙しいときに、それどころではないでしょう。
駅員さんにとって、私は間違いなく「迷惑な変人」に違いありません。
では、せめてメールをしようかと思うのですが、サイトにアドレスは載っていません。
そこで、JR東日本の問い合わせフォームに書き込むことにしました。
 村上駅によくお世話になっていること。
 村上駅の金魚が松かさ病と思われること。
 今なら水換え等をすれば助かるであろうこと。
 鮭の町村上なら、金魚のことも大切にしてくれるであろうこと。

帰りの車中で、めんめんとフォームにつづって送信。
どうか金魚を助けてくれますように......。

さて、それから数日経って、JR東日本から返信がありました(以下、抜粋)。

 「いつも村上駅をご利用いただきましてありがとうございます。
 7月31日に村上駅にお客さまからお寄せいただいた情報を伝え、
 水槽の水替えを行いました。今後も注意深く見守ってまいります。
 このたびはご連絡をいただき、誠にありがとうございました。」

ああ、よかったー。本当に水換えしてくれたんだ。助かったー!
変てこな問合せにまともに取りあってくださり、
多忙な時期に水換えまでしていただいたとは、頭が下がります。

それから10日、父の容態が悪くなり、私はまた村上駅に降りました。
すると、水槽の水はとてもきれいになっており、金魚もすっかり元気を取り戻していたではありませんか。しかも別人(魚)のように愛想がよくなっていて、私を見るといそいそと寄ってくるのです。
私がJR東日本に問合せしたことまでは知らないはずですが、何か通じるものがあったのでしょうか。
他の人間が近づくと逃げていくので、やはり金魚は人を識別しているのかもしれません。

通りすがりの小さな命ですが、元気に回復した姿を見るのはうれしいものです。
父の回復を見ることはできませんでしたが、せめて金魚達の命を救うことはできたのかなと思います。
JR東日本の方、村上駅の方にはこの場を借りてお礼申し上げます。




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